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3 異なる世界の古本屋が出会った!――買取専門店「ブックス・ブックス」のはじまり

  • Takezoe,BooksBooks
  • 7月13日
  • 読了時間: 3分
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――お二人が出会ったきっかけはなんですか?


 わたし京都古書組合の理事になってからですね。


梁 そう、ここ年ぐらいのことで、理事年生同士でよく話すようになったんですよね。彼女みたいないわゆるニューウェーブ系?の人たちが10年ぐらい前から組合にもちょこちょこと入り出してたけど、僕は親の代からの流れでそのまま組合にいるのが当然だったし、周りも組合どっぷりの人が多いので、身内では「組合に入らんでどうするんやろ?」っていう感じでちょっと距離があったというかそれまではよく理解できない人たち、みたいな印象が正直なところで…

 

 私みたいに何何専門です、というのがない、いわゆる町の古本屋みたいな人って組合では少数派なんですよ。お店も京都と大阪だから、同年代なのにこれまではそんなに接点もなかったんですよね。

 

梁 そう、それが古書組合の集まりで顔を合わせる機会が増えて、親しくなっていろいろ話しているうちに、どうも趣味でやってるわけではないんだなと、自分が全然知らん世界があるんやなっていうのが分かってきました。僕らは基本的に仕入れは業者市場で競り合って本なり浮世絵なりを買いますし、市場という場所は自分も出品者であり購入者でもあるので参考書を読んだり人の落札額を見たり、勉強して失敗しながらやってる感じで。お客さんからの買取は何が来るか分からないので、それオンリーではなかなか商品構成がままならない。特にうちみたいに専門を持って構えていると、そう都合よく欲しいものが入ってくるわけじゃないから、彼女みたいな商売のやり方を見ると、すごいな、どうなってんねやろ?と。自分にはできないことをやってるなというところは尊敬しますね。


 ほんとに一口に古本屋さんといっても、それぞれやっていることは全然違いますよね。わたしもやっぱり彼の経験と知識量はすごいなと思います。学術書にしても、古典籍にしても、勉強してないとわからない上に知らないとまったく商売にならないので、少しずつ見ながら覚えて行く、というだけの話ではない。みなさん一定の知識があってそれを知らないと太刀打ちできない世界ですね。


――そんなお二人が買取でタッグを組むことになったのはなぜですか?


 うちの場合は買取については店頭や出店イベントでチラシを配ったり、ホームページでお知らせはしていましたけど、基本はお店のことを知ってる人が依頼してくださることが多いんです。口コミというか、友人やご家族に聞いて、と連絡してきてくださる方も多いですね。その窓口を増やして、もうすこし幅広く対応できますよ、っていう感じにしたかったんです。

 

梁 単にジャンル違いの二人というだけじゃなくて、出自や視点、性別まで違う。そういう組み合わせって、なかなか他にないと思うんです。たとえば、僕みたいな、どちらかと言えば”昔ながら”の古本屋が見たら、「これはもう10人中10人が破棄するな」っていう本でも、彼女の感性からすると「いや、これはわたしのところなら売れる」っていう場面が結構あるんです。そういうお互いの経験とか知識を活かしていくと、取りこぼしが少なくなって、本にとってもお客さんにとっても有意義なんじゃないかなと思います。

 
 
 

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