2 好きを仕事に!地域密着スタイルを貫く ――マヤルカ古書店・なかむらあきこさんの歩み
- Takezoe,BooksBooks
- 2025年6月6日
- 読了時間: 4分

——なぜ古本屋さんを始めようと思ったんですか?
マヤルカ古書店・なかむらさん(以下 マ)
お店は2013年に西陣で始めて、2017年に現在の店舗の一乗寺に移転してきたんです。だから最初から数えると12年くらい。でももっと前から自分の蔵書をネットで本を売ったり、知人と共同で店をやっていたこともあるので、そういうのを含めたら15年くらいでしょうか。当時ネットで本を売るのがちょっとしたブームだったんです。その延長で、今もありますけど「一箱古本市」というイベントなんかも出てきて、自分の蔵書をダンボール1箱だけ持ち寄って売る、というスタイルがすごく面白かった。東京に住んでいた頃にわたしも参加したことがあるんですが、それまでずっと一人で本を読んでいたので(笑)、街に本好きが集まる空気に衝撃を受けました。
元々は編集の仕事をしていて、ライターとか図書館司書をしていた時期もありますね。大学で民俗学や歴史地理学を専攻していたのも関係あるのか、今、本と一緒に扱っている郷土玩具とかも昔から好きでしたね。
——マヤルカさんといえばこけし、みたいな感じでしたよね。
マ こけしは自分でも好きで、若い頃から集めています。じつは古本とこけしって結構コレクターの方が重なるんですよ。だから買い取りに行ったらこんなのお店で扱ってますよね?ってこけしや郷土玩具を出してくださる方も多くて。ちょうど私が店を始めるぐらいのころに、関西でもこけしのブームが来たんです。もちろんコレクターは戦前からたくさんいるんですけど、当時は関西でこけしを売ってるお店があまりなくて。
——ある意味こけしブームの火付け役といってもいいですよね?
マ 火付け役ではないです……。最初に仙台や東京でこけしイベントが始まったときに声をかけてもらって、本格的に関連書籍なども扱うようになって深めるようになった感じですね。そのときはまだ自分の店もなかったので、たしかに自分でも、古本よりもこけしのほうが先にできた自分の店の色という感覚です。今はこけしブームも落ち着いてますけどね。だからお店には最初から趣味が合う感じの人が来てくれていたのかもしれません。
——一乗寺に移られてからは変化がありましたか?
マ 変わりましたね。西陣の時は路地奥の、周りに何にもない場所に店があったんですよ。わざわざこんなところに来てもらったのに何も買うものがなかったら申し訳ないなと思って、雑貨を置いたり、催しもするし、いろいろなものを揃えようとしていました。本もいわゆる暮らし系とか絵本とか小説とか手に取りやすいものが多かった。でも一乗寺は周りに本屋さんがたくさんあるので、全方位に向けての本は置かなくなりました。大学の先生や学生さんもよくきてくださるので、地域の方をイメージしながら、好きかなというような本を中心に棚をつくるようにしています。
――仕入れはどうされてるんですか?
マ 普通は多分あまりないと思うんですけど、わたしは店を始めたときからすごく買取があって、2020年までは仕入れは完全にお客さんからの買取のみだったんです。たぶんわたしと同じようなものを好きな人が来てくれてたからですよね。でもコロナもあってギャラリーもできなくなったこともあって、方向転換して古書一本に絞ろうと思って、持続化給付金も出たのでそれを使って2020年に古書組合に入りました。組合に入るのには結構お金がいるんですよ。とはいえ今もうちの店は仕入れの8割方が買取なので、地域の方が読まれてる本が多く並んでると思います。そこを軸に自分なりに広げていくっていう感じですね。
――古書組合に入ると何が違うんですか?
マ 業者の市場を利用できるんです。簡単に言うとプロ同士の本の交換会ですね。買取などで店に入ってきた本の中で自分の店に合わない本を出すと他の業者が買ってくれる。組合に入ると全国の業者市に参加できるので、京都の市場に東京のお店が来ることもありますし、逆もあります。なので市場があることで、自分の店の専門性を高めるだけでなく、専門外の本でも自信を持って買い取れます。なかなか入手しにくい希少本を買うこともできるので、扱える本の幅が広がりますね。






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